公開: 2023年3月31日
更新: 2023年10月18日
初期のコンピュータは、敵国の軍隊が連絡に使っていた暗号を解読するために利用されていました。例えば、イギリス軍は、ドイツ軍が使っていた複雑な暗号、「エニグマ」の解読にコンピュータを利用していました。それは、暗号化と復号に必要な暗号鍵を、適当に仮定して、受信した暗号文を解読し、意味のある文章に変換できたとき、解読できたと考える方法です。このため、数多くの暗号鍵の候補で、受信した暗号文を高速に解読することが必要になります。当時、ケンブリッジ大学で数学を研究していたアラン・チューリングも、その任務に当たっていました。
その頃のコンピュータは、電磁石を使って動かす計算装置でしたが、戦争中に進歩した真空管を利用して、高速に計算ができる電子式のコンピュータが、第2次世界大戦後(1949年)に、米国で開発されました。この、電子式コンピュータは、砲弾の弾道計算に使われました。しかし、真空管式の電子式コンピュータは、真空管の寿命が短かったため、故障が多発し、企業の業務に関係した、普通の利用には向いていませんでした。